BYREDOは古い英語の「by redolence」に由来し、「香りが思い起こす」という意味があります。 どの香水にも「香り」と「思い出」はセットで、記憶と想像の世界が全ての香りのコンセプトになっています。 それは氏のルーツがインドにある事、お香や香辛料等が身近にあった事、幼少よりスウェーデン、NY、トロントといった多文化の中で過ごした事、美大出身で香水の教育を受けずに業界に入った事で自由で個性的な香りに行き着いたのかと感じます。 キャリアもユニークで、ブランド設立前はバスケットボール選手でした。リタイヤ後にスクールで芸術を専攻しますが、卒業頃、2人の調香師に出会い、香水という「見えないアート」に衝撃を受け、記憶を香りに変換するプロジェクトがBYREDOの土台です。2007年の設立から僅かで世界的ブランドに成長したのは斬新で奇抜、型にはまらないユニークさ所以かもしれません。 2017年にバレードからバイレードへの変更も氏の拘りとブランドへの尊厳、愛情、未来への希望を感じます。 こちらは1992年よりパリを拠点に活動し、フランスを代表するクリエイティブユニットのM/M Parisとのコラボレート作品、M/MINKです。 M/M Parisはマティアスとミカエルから成るドゥオで、マドンナやビョークのアルバムジャケット、ロエベや渋谷パルコのロゴ等、多岐に渡る活動をしています。 そのユニットがこの作品を作るにあたり氏に伝えたコンセプトが“墨”です。 2010年の発売以来、ひとくせある香りながら、そこがユニーク且つ、個性的でクセになる逸品です。 トップはアドクサルという刺激臭のある合成香料で何とも表現しづらい香りですが、これがある事で核やベースとなるお香を感じるインセンス、落ち着きのあるアンバー、ドライでカラッとしたシダーウッド、爽やかな甘さのアンバーハニーが引き立ち、パチュリリーフが全体に奥行きと深み、色気を醸し出すのだと感じます。 時間の経過と共により墨や土を感じ、私にとっては安定剤のような心地良さがあります。 こちらは香水ショップにて10月に購入したうちの1本です。 ボトルは1ml、0.7mlの容量が充填されております。 自宅の冷暗所にて保管しておりますが、あくまでも個人保管です。 その辺を気にされない方にご興味をお持ち頂けると嬉しいです。